年を重ねるほど、心が動いたり踊るような体験や感動が減っていきます。
だからこそ、敢えていろいろな出会いや体験を意識していくことが大切です。
今回は、福島で思いもよらない高尚な感動に出会えた体験です。
福島へ
東北を連想するたび、いまだにすぐ東日本大震災のことが思い出されますが、そんな想いも込めて福島へ。
そして今回の一番の目的は、日中線しだれ桜並木。
日本最大級のしだれ桜並木
昭和59年に廃線となった旧国鉄日中線跡地の一部を遊歩道として整備したところに、約1000本のしだれ桜。
喜多方駅近くの遊歩道入口から全長約3kmにわたって植栽されています。
私が訪れたときは、見頃を少し過ぎて花びらが舞い始めていましたが、それもまた儚げで圧巻の美しさでした🌸
そして、しだれ桜の素晴らしい景色とともに、それ以上に思いがけない感動をもたらしたのがSLとの出会いでした。
SLばんえつ物語
1999年4月に復活を遂げたSL(C57-180)が牽引し、新潟県の新津駅と福島県の会津若松駅の間の磐越西線を運転する列車。
大きな駆動と細いボイラーの美しい姿から「貴婦人」の愛称がついた機関車は、新潟県新津から福島県会津若松にかけて走行しています。
主に土曜日・日曜日のみ運転し、野沢や喜多方などで途中で停車するタイミングも合ったため、運よく見ることができました。
いままでいろいろな感動を体験してきましたが、たぶん自分の人生のなかで、記憶にある限り一度も味わったことのない想定外の感動でした。
念のためですが、私は電車や乗り物が特別好きなわけではありません。
たまたまSLが通過する時間に近くにいたので、せっかくなので見てみようという軽い気持ちからでしたが、まさかこれほど感動するとは思いませんでした。
アナログゆえの感動
そもそも蒸気機関車(SL)は、1900年初期~中期では主流の列車でしたが現在は少なくなっているそうです。
電気やエンジンを使わず水と石炭を使って走るので、時々黒煙を上げ、白い蒸気を吐き出しながら力強く走り、時々汽笛を鳴らします。
感動の瞬間
走ってくるSLを待っている時、力強い汽笛の音で遠くからだんだん近づいてくるのがわかると、自然と気持ちが高ぶってきました。
そして白い蒸気を吐きながら姿を現した時は、感動に胸が震えました。
アナログゆえの、あの力強さと健気さ。
独特の汽笛は、郷愁と同時になぜか哀愁さえも感じさせ、耳に残る余韻とともになんとも言えない感動を呼びます。
汽笛は10秒ほど続き、鳴り終わるときには自然に胸が熱くなり、目が潤んでいました。
「感動ってこういうことなんだ」・・・と改めて感じることができた、尊い高尚な体験。
デジタル化がどんどん進んで便利な世の中になっていますが、時にはアナログゆえの素晴らしさに立ち返ってみると、新たな発見や感動に出会えるので、ぜひおススメです。