ここ数年でだいぶ耳にするようになった「フレイル」という言葉。
直訳すると「虚弱」という意味で、高齢期に病気や老化などによる影響を受けて、心身の活力(筋力や認知機能など)を含む生活機能が低下し、将来要介護状態となる危険性が高い状態のことを指します。
生活機能の自立度が高い「健康」と、日常生活動作に障害がある「要介護状態」の間に位置しており、適切に予防すれば要介護状態に進行させずに済む可能性もあります。
両親の介護を振り返るにつけ、まさにフレイルの時期を経て徐々に介護の状態になっていきました。病気やケガなどの突然の変化には当然対応できますが、毎日身近で見ているほど、静かに忍び寄ってくる衰えには気づけないことも多く、場合によっては親の衰えから目をそらしたくて、私自身が気づかないフリをしていた時期もあったように思います。
20代頃までは、自分の両親が介護を必要とする状況になることなど想像できませんでした。
仮に介護状態になる人が多いとしても、自分の親だけはずっと元気でいてくれて、いつまでもスーパーマンのような存在でいてくれると勝手に思い込んでいたフシがあります。しかし、それはあくまでも錯覚や現実逃避に過ぎず、やがて自覚せざるを得なくなる現実は訪れました。
親の認知症が進んだあとにフレイル予防の大切さを知り、後悔もしました。
誰もが今日という日が一番若く、毎日老化と向かい合いながら生きている現実は避けて通れません。自然に抗うことはできないからこそ、最期まで自分らしく生きるため心身ともに健康で過ごしたいものです。