「要約筆記」との出会い

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今回は、「要約筆記」をご紹介をしたいと思います。

「手話」はたくさんの方々に認知されていると思いますが、「要約筆記」を知らない人はまだまだ大勢いらっしゃると思います。

要約筆記とは

話し手の内容をつかみ、それを文字によって伝える、聴覚障害者のためのコミュニケーションの保障です。1960年代に考案され、現在は手話通訳と同時に福祉サービスとして行われています。

話の内容をその場で文字にして伝えるのですが、「話すスピード」は「書く(入力)スピード」より数倍も速くてとても全部を文字化できないため、話の内容を要約して筆記するため「要約筆記」といいます。
筆記には大きくわけて、手で書く方法とパソコン入力があり、状況に応じて最適なものを選びます。

手書き要約筆記

講演会など対象者が多人数のときは、皆が同じ情報を共有できるように、OHPやOHCなどを使用して、要約筆記した文字をスクリーンに映します。ちなみに筆記者は4人ほどのチームになって、役割を交替しながら書いていきます。

ノートテイク

対象者が1~2人のときは、となりで「ノートテイク」を行う方法があります。ノートをとっているように見えるので「ノートテイク」といいますが、一般的な綴じたノートではなく、紙に水性ペンなどで書いていきます。

パソコン要約筆記

対象者が多人数のときはパソコンとプロジェクターをつないでスクリーンに映しだす方法です。
対象者が1~2名であればとなりに座って入力してパソコン画面を直接見てもらう方法があります。

要約筆記者の全国組織としては、全国要約筆記問題研究会があります。

出会いのきっかけ

私が初めてこの要約筆記を知ったのは、約20年ほど前。

毎月届く市報を見ていた時、「要約筆記養成講座」という案内をたまたまみつけ、「要約筆記ってなんだろう?」と疑問に思ったのがきっかけでした。

実は大ケガをして手術したことがあり、車イスや松葉杖を使ったり、1年ほどリハビリを続けながら不便な思いをした経験があります。その頃は、子育ての真っ最中でもあったことから、家族をはじめ周囲の皆さんにも本当にいろいろ助けて頂き、その感謝を何かしら還元したいという想いが募っていたため、
「足が治ったら、今度は自分が何か役に立てることをしたい」と密かに考えていました。

しかし、これと言って何をしていいのかわからないまま過ごしていた時に、ちょうど「要約筆記養成講座」なるものを見つけたのです。

 

「筆記」という言葉から、何かを書くのだろうということは推測できたものの、何をどのように書くのか全くわからなかったので、講座の内容を市の福祉課に電話で問い合わせてみました。

すると、直接の担当者が不在で他の職員が対応してくれましたが、
「私もどんなものかよくわからないのですが、人が集まらなくて困っているらしいので、ぜひ参加してみてください!」という、なんとも的外れな回答・・・(苦笑)

スッキリしないままでしたが、そもそも書くこと自体嫌いではなかったし、
「もしかしたら、これで何か役に立てるかもしれない・・!?」という僅かな希望と、電話口の職員の必死さが伝わってきたため断り切れない雰囲気もあり(苦笑)、深く考えないままその電話で申込みを済ませたのが「要約筆記」との出会いでした(笑)

 

結局、基礎講座を修了したあと、養成講座、指導者育成講座・・・など様々な勉強をつづけながら、聴覚障害や聞こえづらい方々への文字による情報保障(通訳)の経験を積んでいきました。

 

ちなみに、始めたばかりの頃は子育て中であり、その後しばらくしたら介護が始まり仕事との両立で手一杯になってしまい、今はなかなか活動ができていない状態です。
しかし、ぜひ一人でも多くの方に、この「要約筆記」を知って頂ければと思い、今回少しだけご紹介しました。

 

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